タロットの絵の見方その１

タロット占いをする上で、全体を俯瞰して眺めて観ることの重要性はご紹介しました。

今回は実際に１枚のカードの見方をご紹介しましょう。

今回のタロットは最も一般的に普及している「ライダー・ウェイト版タロットデッキ」を使用します。
マルセイユ版タロットデッキも大アルカナの基本構造は同じですが、
若干絵柄が変わっています。

元々はマルセイユ版タロットから流布したのですが、今の主流はウェイト・スミス版が全体の80%を占めています。
そのためウェイト版の絵柄に焦点を当てますね。

さて・・・
タロットには具体的な象徴が数多く描かれています。

「愚者」を例に取りましょう。

「愚者」は天を見上げ、足元には気にしていません。足元は崖ですよね。
崖はリスクの象徴。すなわち崖（リスク）をまったく気にしていないというメッセージが浮かびます。

足元の白い犬。
白い犬は忠犬ですから、少なからず主人公の愚者を応援しています。
こちらは二つの解釈ができますね。
１つは「そっちは崖だよ。危ないよ！」という警告。
もう１つは「崖だけど、思い切って行ってごらんよ！」という鼓舞です。

太陽は白ですね。
一般的に太陽は全て黄色で描かれます。なぜ白なのでしょう。
それは、太陽が愚者の目的であって、その目的がまだ明確でないためです。
愚者は太陽に気がついていません。
ということから、無目的・無計画というメッセージが浮かんできませんか？

彼の右手には旅立ちの袋を抱えています。中身はなんでしょう？
それは魔術師のカードで分かります。

左手は白い小さな花。白百合ではありません。
単なる花です。これは小さな不安を象徴しているんですね。

また背景は、氷の山。尖っていますね。
これも下界への旅に対しての不安を暗示しています。
しかし遠いため、愚者はあまり気にしていないでしょう。

彼はなぜあんな派手な服装を着ているんでしょうか？
これは注目を集めたいんです。
「僕はこれから世間へ旅に出るよ！」という感じです。
もちろん周囲には誰もいないので、独りよがりですが。

このように「愚者」だけでもこんなに見るべきところがあるんです。

タロッティストは相談者の質問に照らし合わせて、ここぞ！という象徴を見る必要があります。

だから思考の占術なんですね。

タロットの絵の見方のコツは、「なぜ」と自問自答すること。
「なぜ、白い犬は吠えているのか？」という具合です。
するとすんなり象徴のメッセージが連想できますよ。

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