タロットの逆位置の考え方

タロットカードの実占で、リーディング時に「正位置」「逆位置」というように、カードが展開されていきます。

さて、この「逆位置」について考えてみたいと思います。

例えば、「悪魔」のカードは「束縛される」というキーワードがありますが、それが逆位置ならば「解放される」というような意味になる、と解釈しています。

タロットカードのリーディングにおいて「逆位置」の解釈には様々な考え方があります。
日本では「正位置」と「逆位置」の意味をがっちり固定している場合が多いようです。

「逆位置」を本来のタロットの啓示から、「エネルギーが弱い」「速度が遅い」と解釈する場合もあります。
私個人としては、メアリー・K・グリアーの説に同調し、「否定的な面」「弱められたもの」「顕在化されていないこと」を示しているという考えでリーディングしています。

ただ、カードによっては必ずしも「否定的」「消極的」な要素があるわけではありません。
「逆位置」の方が積極的な意味を持つ場合だってあるわけです。


元々のタロット占いの起源では、この「逆位置」の考え方はありませんでした。
この解釈のアイディア『タロットと呼ばれるカードのパックで楽しむ法』(エテイヤ著)に掲載されたことがきっかけです。また日本のタロッティストは・・私こと小町も含めて・・逆位置を取り入れた解釈をしている方が多いようです。

でも欧米の先鋭的なタロッティストたちは、この逆位置をあまり重視していませんし、日本でも鏡リュウジさんは、その著書『タロット心の図像学』の中で逆位置を重視していないと述べています。

「逆位置」に出たカードも本来のそのカードの性質は変わりませんから、極端にまで逆位置に拘る必要はないのかもしれません。

参考までに、M・K・グリアーの「逆位置」に対する解釈を記載してみましょう。

メアリー・K・グリアーは、『タロット・リヴァーサル完全ブック』の著者ですが、逆位置を解釈に採用する場合のカードの捉え方を次のように述べています。

1.障害・抵抗

2.投影
無意識の中で抑圧している自分の嫌な・・見たくない・・要素を、他人の振る舞いや性格として見てしまうことです。

3.遅延・困難・得られない
「遅い」ことは悪いことではありません。「遅い」のはまだ準備期間である暗示かもしれませんし、機が熟していないのかも知れません。

4.内的・無意識・私的
外に向かう意味よりも、むしろ内面に向かう意味と捉えます。

5.新月(ダークムーン)
円形のタロットカードで読む場合、左右の傾きにも考慮します。
180度逆の場合は、変容の必要性が無い、などの意味になります。

6.突破・打開・拒絶・方向の変化
カードの絵柄の状況から、離れていくことを意味します。あるいはその状況が過ぎ去った過去のものとなっている意味とも取れます。

7.カードの正位置の意味の否定・欠如

8.過度・過剰な埋め合わせ、もしくは撤退
カードが示している正位置の意味から、「強まる」か「弱まる」かの意味になります。
感じとしては、無理をしている、あるいは諦めた様子・・です。

9.誤用・間違った方向
カードの正位置のテーマを間違った使い方をしている意味です。

10.リトライ・撤回・見直し・再考
カードの正位置の意味を、やり直したり、見直すべきだと伝えています。

11.治癒の過程
カードに示された状況で間違っている点を修正すべきである、と読みます。
不純物を取り除くという意味合いもあります。

12.型にはまらない、呪術、シャーマニズム、ユーモア
正位置の状態から違った角度で見ることを示しています。

「逆位置」の解釈については、そのタロッティストによって様々ですが、私としては、「逆位置に出たという事実」が重要だと考えています。
逆位置だからと言ってその意味を完全に固定するのは賛成しませんが、逆位置がでているカードは何かの暗示を示していると解釈して、特別な視点・・注意・・で読むようにしています。


では発想を変えて、タロットカードを1枚の絵としてみた場合にはどうでしょう。
「正位置」「逆位置」と言うよりも、「上」「下」の方がしっくりきます。

「上」とは天を示しています。「空」「宇宙」「頭」というイメージもあります。
「下」は大地です。「地下」「足」というイメージもあります。
「上」は精神的・理想的なもので目標や目指すべきものを示すでしょう。「下」は現実的・肉体的・実際的です。制限された要素があります。


これを行動や考えの流れで考えると、「上」にあるものが「下」に向かう場合は、精神的なもの・事が、現実的になることを示しています。「下」から「上」は制限されたもの・事が、解放される・発展することを示しています。

例えば・・ペンタクル2を見てみましょう。
このカードは2枚のコインをジャグリングしている絵柄です。ジャグリングしている大道芸人は楽しそうで、無限マークがコインを結んでいます。
逆さまになった場合どうでしょう。

ジャグリングしていたコインは下に落ちてしまいます。彼は大道芸人だとすれば逆立ちしているのかもしれません。
コインがこぼれるのは「不安定」を示し、大道芸人は自分の失敗を「誤魔化している」「ずる賢さ」を示しているようです。

こぼれたコインのために、ほどかれた無限マークの紐はやはり安定性を失い、無限から有限・・すなわち制限されることを示しているようです。
当たる!

 

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